夕食にこんにゃくとごぼうを一緒に煮て、朝、起きたら…。

うわぁ〜!!こんにゃくが変色して緑色になっていました!!

こんにゃく緑色に変色

なんで緑に変色しちゃったの??

ごぼうのアク抜き方法が間違ってたのかしら?

なんとも不気味な、食欲のわかない緑の色合いのこんにゃくを見ながら、いろいろ調べてみることにしました。

こんにゃくが変色して緑色になった理由

こんにゃくが緑に変色したのは、ごぼうには、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」という色素成分が含まれていて、これは、アルカリ成分にふれると緑色に変色するという性質を持つからのようです。

「クロロゲン酸」は、ごぼうの“アク”のことですが、抗酸化作用や抗ガン作用もある一方で、水に溶けやすく不安定な色なため、調理中の様々な影響で変色します。

今回は、こんにゃくの製造過程で凝固剤として石灰が使われているのですが、これがアルカリ性で、これに反応したようです。

他にも、いんげん豆をゆでたお湯でこんにゃくをゆでると、ゆで汁やこんにゃくが 赤色に変色することもあるそうです。

クロロゲン酸は、ごぼうのほか、じゃがいも、サツマイモ、ナスなどにも含まれているので、これらは変色する可能性があります。

そして、気になる毒性なのですが、こんにゃくが緑や赤やピンクに変色しても、害はないので、安心して食べても大丈夫です。

そもそも、アクってなんでしょう?

原義では灰(藁灰や木灰)を水に浸して上澄みをすくった灰汁。

この灰汁を使って食品自体がもつ強くてクセのある味を処理したことから、そのような嫌な味やクセそのものも「あく」と呼ぶようになった。

食品のアクは食物に含まれるえぐ味、渋味、苦味など不快で不要とされる成分の総称。~wikipedia~

アクを全部取り去ってしまうと風味が損なってしまう恐れがあるので、適度な加減が必要なようです。

アクの種類にも、食感だけでなく人間の体にとって害があるアクと害のないアクがあるようです。

たとえば、ほうれん草などに含まれているシュウ酸は、カルシウムの吸収を阻害し、さらにシュウ酸カルシウムが体内に蓄積し結石の原因となります。

なので、ほうれん草などは茹でることでシュウ酸が溶け出すので大部分が除去できます。

そして、大豆のアク(サポニン)には発ガンを抑制する働きをするとして、すべてのアクが体にとって悪いわけではなかったりします。

そして、ごぼうの場合も、タンニンに代表されるポリフェノール類(ゴボウを水にさらすと水が赤茶色に変色するのはタンニンの流失による。)は、

最近は抗酸化作用が注目されて、アク抜きの必要性が見直されています。

ごぼうのアク抜きは必要ない!

ごぼう アク抜き必要ない
burdock root, soaking, in my kitchen Photo by cafemama

ごぼうのアク抜きは、包丁の背で泥と皮をこそげ落として酢水に10~20分浸けておくのが一般的です。

元々は料亭などで、真っ黒なごぼう料理を出す訳にはいかないので、

酢水に浸けると色もよくなり、独特の臭みやえぐみも抜けて食べやすくなるためにしていたことが一般にも広まって、「ごぼうはアク抜きが必要」となったようです。

今回のわたしのように、緑色に変色したこんにゃくでは、全然、食欲がわきませんものね(笑)。

しかし、先ほど書いたように、最近は、ごぼうの抗酸化作用が注目されています。

アクに毒性がある場合は、アク抜きは必須!ですが、毒性が無い、ごぼうの場合は逆にせっかくの栄養素を洗い流して食べるのも勿体ない話です。

それに、マクロビオティックなどのナチュラル志向の調理法では「一物全体」という皮も身も全部の栄養をまるごといただきましょう、という考え方もあります。

だとしたら、家でごぼう料理を作る時は、これはたとえば「ちらし寿司」とか「炊き合わせ」など色合いをキレイに見せたい時は、酢水でアク抜きをして、煮物などはそのままいただくとか。

臨機応変に対応すると、ごぼうのポリフェーノールも賢く摂取する事ができると思いました。