最近、パートナーのkuniちゃんのパニック障害は、「11月に3時間半、飛行機に乗る」という、(パニック障害の人にとっては)今までの最長記録の移動にも、耐えられるくらいの体に回復してきています。
そして、去年から、断捨離でいろいろなものを捨ててきたのですが、
ついに今日、kuniちゃんが、パニック障害でお医者様から処方していただいた薬を全部捨てました。
パニック障害の薬 副作用はあるけれど、必要なときがある
これらが、今日、捨てられる薬の数々です。
…すごい量です…。
「副作用が無い薬は無い」と言われますが、パニック障害の薬もやっぱり、これを飲む事によって、
薬が効きすぎて、お昼過ぎまで眠すぎて動けなくなったり、強い薬を連続して飲んでいると、余計に意欲が喪失したり…なんてこともあるので、家族としてはやっぱり心配でした。
本当は薬なんて飲まないで良くなれればいいのに…と何度も思いました。
でも、パニック障害の患者さんにとっては、一時的にかもしれないけれど、少し心がラクになって、生きる支えになったりもするようです。
眠れないと、わたしなどは「3日も起き続けていれば眠れるよ」なんて言いますが、それは心が元気な時のこと。
心が不安定に傾いている時は、眠れなくて、夜、静かなベッドの中でいろいろと考えてしまい、いつのまにか負のスパイラルに入り…、不安や恐怖で動けなくなってしまうこともあるのです。
そういうときに、心を和らげるように、薬は威力を発揮してくれます。
でも、薬だけでは、パニック障害は克服できません!
確かに、薬を飲む事で症状は緩和されますが、「心」という、特別な機能を持った部分から来る不安や恐怖を取り除くことはできないのです。
あくまでも、薬は心が不安定な時、動悸を落ち着かせるなどの肉体的処置をする、緊急対応用でしかないのです。
何かの出来事がきっかけで、自分の心に湧き上がって来た、不安や恐怖に対処できるようにならなければ、あるいは心の質を変えなければ、
kuniちゃんが10年後に再発したように、また数年後、同じことを繰り返してしまうのです。
その「心」を、根本的に変えるために、kuniちゃんは、病院で、薬と併用して、認知行動療法を病院で受けました。
認知行動療法とは?
Pen and Notebook Photo by sparkieblues
物事が起こった時の、瞬間の、認知(ものの考え方や感じ方行動)の、陥りがちなパターンなどが原因になっていることが多いので、その認知を自ら修正することで、心を軽くしていく精神療法(心理療法)の一種。
考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていく。
誤った認識・陥りがちな思考パターンの癖を、客観的でよりよい方向へと修正する。
鬱、PTSD、パニック障害、解離性障害、複雑性悲嘆、強迫神経症など、多種多様な精神的疾患で、その高い効果が報告されている〜Wikipedia〜
kuniちゃんは11回、この認知行動療法のグループワークに参加しています。
この認知行動療法は、「その時間、病院で受けて終わり」といったものではなく、一回一回、少しずつ認知の陥りがちなパターンをみつけるためのコツのようなものを教えていただあと、
「ホームワーク」という、宿題(?)のように、一冊のノートを用意して、自宅でもノートに自分の思ったこと、なぜそう思ったのか?
他の考え方にしてみたらどうなのだろう?…など、毎日毎日、ノートに書く作業自宅でも実践することになります。
そして、それを続けて、何かが起こった際に、瞬時、ポジティブな考えに置き換えられるクセをつけてゆくのです。
認知行動療法は必ず医療機関で受けよう
そして、アナウンサーの丸岡いずみさんの著書「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」には、
「薬を飲んだら、自分が”うつ”だと認めてしまうことになりそうで、最初は薬を全部捨てていた。
そして、『薬は飲まずに自分自身で認知行動療法をして治してやる!』と思っていましたが、
うつ病の自分が、自分に対して正しい認知行動療法などできないのだと、途中から薬を飲み始めました。」
と書かれている通り、認知行動療法の本は本屋に行けば、沢山手に入ります。
でも、みんなに迷惑をかけないように、あるいは恥ずかしいから、「本を買って、自分ひとりで治してやろう」と思うのはよくありません。
そもそも、今まで、「自分ひとりで何でもやろう」と、よく気がつく人だったり、優しかったり、責任感が強かったりするがために、
頑張りすぎて、心がストレスでダメージを受けてしまっている事も、「認知の陥りがちなパターン」のひとつなのです。
もう少し、周りに頼っても、全然大丈夫なんです。
丸岡いずみさんも、きっと、そのことに気がつかれたのだと思います。
そして、認知行動療法は心、考え方を軌道修正していくので、長い期間を必要とします。
そして、その長い期間、先ほども書いたように、「一日の出来事で、思った事をノートを書く」という作業を繰り返します。
日記って、よく3日坊主で終わる事って、ありませんか?(わたしはあります!)
とくに気持ちが不安定なときは、書き続けられないし、書くポイントも、ひとりでは、明確にならないことが多いので、そういう意味でも、自分だけで行うのはなかなか難しいです。
なので、やはり、心理学を学んだプロと二人三脚、あるいはグループワークで行っていったほうが、早く改善がみられます。
そして、薬のほうも、お医者さまが処方したものをすべて飲むのではなく、「これは効きすぎる」とか自分の薬を飲んだ感じ方を大切にして、それを伝えながらゆっくりと治療していくことがとても大切だと思いました。
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