昨日、米食品医薬品局(FDA)は7日、「トランス脂肪酸」の使用を禁止する方針を固めた…、というニュースが流れました。
米国では、すでに、2006年からトランス脂肪酸の制限をして、使用表示を義務付けていました。
この頃から、トランス脂肪酸が心筋梗塞や心臓疾患と関わりがあるということが言われていたのですが、
日本は米国と比べてトランス脂肪酸の含まれる食品、マーガリンなどの摂取量が圧倒的に少ない!ということで、特に規制はありませんでした。
トランス脂肪酸の多い食品
red fruits cupcake 1 Photo by chotda
日本では、原材料の欄にマーガリン、ホイップクリーム、ファットスプレッド、食用油脂、植物油脂、精製加工油脂などと記載されていたら、要注意です。
大体、そういう表示には、トランス脂肪酸は入っているようです。
工場で作られた、ケーキ、お菓子、パン、ピザ、揚げ物のせんべいやドーナツ、コーヒーのクリーム、ソフトクリーム、冷凍ピザなど…多くの嗜好品に入っています。
どうしてトランス脂肪酸を使うのか?
トランス脂肪酸を含んだマーガリンやショートニングは、腐る事がないため、バターより長持ちです。
バターの5分の1以下のコストで作れるため、食品業界では当たり前のようにして使われています。
トランス脂肪酸の含有比率はデンマークでの2%以下など、一部の国では規制がなされているのに対して、日本のマーガリン類には脂質の8%もの含有量!
デンマークの規定値の約4倍もの量が含まれているんです!
今までも、心臓病のほか、ホルモンバランスを狂わせて、子どもが生まれにくくなるという弊害も指摘されてきました。
そして、今回、米国では本格的にトランス脂肪酸禁止の方向へ…。
これを受けて、日本では、このトランス脂肪酸、これから規制が入るのか、入らないのか?どうなるんでしょう。
海外で禁止されている食べ物は、あまり食べたくないですよね。
トランス脂肪酸を摂らないようにするには?
現在、日本の外食産業の中でも、トランス脂肪酸を含んだ商品へ取り組んでいる企業はたくさんあります。
外食でトランス脂肪酸を含む商品を販売しない企業
- セブン&アイ・ホールディングス (オリジナルパンのみ)2010年12月26日、トランス脂肪酸を含む商品を販売しない方針を明らかにしました。
- モスバーガー パーム油と菜種油でありショートニングは不使用。
- ロッテリア パーム油100%でショートニングは不使用。
- 日本ウェンディーズ 米国と共同歩調で2006年10月から全79店舗でトランス脂肪酸を含んでいない油に切り替え。
トランス脂肪酸を低減している企業
- フランソア いくつかの商品ブランドで1食55gあたり0.5g未満に低減。
- pasco 2006年(平成18年)2月より、パンや菓子に使用する油脂(マーガリン、ショートニング)を、トランス脂肪酸の含有量が少ないものに順次切り替え。
- 神戸屋 使用する油脂などの見直しにより低減。
- ミスタードーナツ 2007年12月より油脂を切り替え、ドーナツ1個当たり平均1~1.5g含まれていたトランス脂肪酸を、平均約0.25gまで低減。
- ケンタッキーフライドチキン 2007年10月にトランス脂肪酸の含有量を半減させた調理油に切り替え、今後も含有量をゼロにする油の研究を進めていくと発表。
- ブルボン 全商品の低トランス酸化(1食40gあたり0.5g以下)
- 日清オイリオグループ (製造過程で水素添加を施した一部の業務用商品を除き)トランス脂肪酸フリー。
ここに挙げてあるのは大企業のみなので、小さな企業もトランス脂肪酸の低減につとめているところはあります。
そして、今回の「米国、トランス脂肪酸禁止に向けての動き」を受けて、これからは、トランス脂肪酸を排除していく企業はますます増えていくとのではないかと思います。
しかし、まだ今現在は、原材料名の表示には、注意した方が良さそうです。
原料名にズバリとは、“トランス脂肪酸”とは書かれていないので、なかなか見分けるのが難しいのですが、
原材料の欄にマーガリン、ホイップクリーム、ファットスプレッド、食用油脂、植物油脂、精製加工油脂などと記載されているのは、できるだけ食べない、買わないという努力はしたいと思いました。
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