ドクターとの初診察が終わり、それぞれのドーシャ(体質)や、症状や体調に合わせたマッサージオイルが調合され、いよいよアーユルヴェーダのマッサージが始まります。
このマッサージオイルはひとりひとり異なりますし、また、身体に使用するオイルと頭に使用するオイルとでも違います。
この辺りは、まさにオーダメイドな感じで、わざわざスリランカまで来てアーユルヴェーダを受ける甲斐があるというもの。
スリランカのアーユルヴェーダマッサージを初体験!
アーユルヴェーダとはサンスクリット語で「生命」を意味する「アーユル」と「科学」を意味する「ヴェーダ」が合わさったもので、つまりは「生命の科学」あるいは「長寿になるための科学」の意味。
「長寿になるための科学」なので、病気の症状の改善もあるけれど、健康で若々しい生活を送るための療法でもある。
なので、その改善できる範囲は眼科、咽頭、外科、毒物科、精神科、若返り(美容)…とかなり広範囲。
パートナーのkuniちゃんみたいに「パニック」という精神的な症状であれ、わたしのように「ヘルニア」とか「便秘」という症状であれ、あるいは「白髪」のような年齢的な悩みであれ、すべては「体内に毒素が溜まるとドーシャ(生まれつきの体質)が乱れ、症状が出て、ひいては病気になる」という考え方。
その乱れた体質を改善するに、このホテルで長期滞在し、それぞれに合わせたマッサージ+アーユルヴェーダのハーブのお薬+正しい食生活+適度な運動をしながら毒素をデトックスすることとなります。
なので、わたしたちが宿泊する10泊というのは、完全デトックスするにはまだまだ日数が少ないほうなのです。
でも、プロの手を借りてデトックスする機会というのは人生にそうそう訪れるものでもないだろうから、そういうチャンスに巡り会えたことはすごく嬉しいし、幸運だ。
…ということで、いよいよアーユルヴェーダのマッサージ。
オイルで汚れたり、そのままハーバルバス(ハーブのお風呂)に浸かってもいいように、お部屋で使い捨ての紙パンツに履き替えて布をまとって、ヘルスセンターに移動。
マッサージはまずは椅子に腰かけて、ヘッドマッサージから入ります。
温められたオイルが頭頂にトロリと垂らされ、そのオイルで頭皮と髪の毛をマッサージ。
ヘッドマッサージが終わると、髪をゴムで留めて(持参します)オイルを変えて、首、肩、背中を流れるようにマッサージ。
それが終わると布を完全に取って、パンツ一枚でマッサージテーブルに乗るように促され、仰向けになり、顔全体をまんべんなくマッサージ。
続いて、セラピストさんがふたりになり、足のつま先から足全体、腕と手、手の指先までを息を合わせるように同じスピードでマッサージ。
お腹にタラリとオイルが流され、お腹と胸をマッサージ。
貧弱な胸をさらすのはちょっと恥ずかしいけれど、きっとセラピストさんはそんなことを気にも留めていないだろうから、ここは堂々と胸を広げる。
次は両側面。
それが終わるとうつ伏せの姿勢で、再び足の指先から手の指先、首までをマッサージ。
このマッサージの目的は、「筋肉をほぐすため」というものではなく、「毒素を排出させるためのオイルを身体中に満遍なく塗る」というのが本当らしい。
なので、「もっと強くやって!」と言うのはNGなのだ。
身体の隅々までオイルを塗ったあとは、それを身体に染みこませるために身体を休ませます。
と、そのまえにハーブボール。
うつ伏せになったまま、蒸されて温かくなった、いろいろなハーブが詰められた丸い袋でポンポン身体をパッティング。
それが終わったら、裸で手を広げて立っていると、布を巻いてくれる。(まるで女王様みたい)
そしてデッキチェアーが置かれた庭に出て、痛みがあるところや温めるべきところに特製ハーブ湿布がペタンと貼られ、顔に何か塗りたくられて、目の上にきゅうりみたいな瑞々しい”何か”を乗せられて、しばし寝転ぶ。
もちろん、湿布の貼る場所は人それぞれ。
わたしは首と両肩、背中としびれている左手全体に貼られ、kuniちゃんはなぜか胸にペタン!と貼られていました。
さらにkuniちゃんの場合は、湿布の前にスチームルームで呼吸器のスチームを受けていました。
20分くらいお休みすると、湿布が剥がされて、シャワールームへ。
シャワーで全身と頭を洗ったあとは、紙パンツを履いてハーバルバス。
ハーバルバスは浴槽に張ったハーブを煎じたお湯の中に寝転び、セラピストさんにお湯をかけてもらうもの。
シャワーで洗い流しきれなかった毒素をスッキリと流す効果と身体を温める効果があるとのこと。
これが毎日受けるアーユルヴェーダのマッサージ全行程です。
これにプラスして、鍼治療も毎日行われ、さらに様子を見ながらパンチャカルマと呼ばれる特別強力デトックスメニューも追加されていきます。
それプラス、毎日3時に処方されるお薬を「お薬タイムテーブル」に基づいて飲んでデトックスに励みます。
驚くことに、お薬も毎日作りたてで、瓶がホカホカと温かいんですよ。
左はkuniちゃんの薬で、右はわたしの。
薬瓶のラベルが同じようなので同じお薬のように見えますが、入っている薬の色が全く違う!
お薬タイムテーブルも、わたしは朝6時と夜の6時と9時の3回でしたが、kuniちゃんのは、プラス朝7時と昼4時で、すご〜く過密!!
宿泊者がどこに行くにも白湯入りのポットを持って歩いているのがわかる気がしました。
こんなふうに始まったわたしたちの、バーべリン・リーフ アーユルヴェーダリゾートでのアーユルヴェーダ滞在。
さぁ、これから身体と心にどんな変化があるのでしょう。
楽しみでもあり、怖くもあります。